“Pray Wish Come True”

1st Live albumをレコーディングしてから3年、ツアーで鍛えてきた楽曲を厳選し、

スタジオレコーディングを経てリリースしたのが本作。レパートリーはアイルランド、スコットランドのダンスチューンを

歌うMouth Musicをはじめ、Sean-nósやSea Shantiesなどから幅広く採取&収録した。

アイルランドのバグパイプUilleann Pipesや太鼓Bodhranの楽器の音色を存分に活かしながら、

声との絡みで徐々に盛り上がっていくアレンジを堪能してほしい。M1,3,5,7,10には

ゲストミュージシャンの赤澤淳(Bouzouki)も参加。卓越したバランスの演奏で楽曲を彩っている。


1. Jimmy Wards Jig

2. 朝のつぐみ

3. 祈り願い叶う (Composed by Cyril Tawney / Lyrics by トシバウロン)

4. Hop Jig Set

5. Eadaraibh a huinn o(エッテラバ フェイニョ)

6. オランモアの雄鹿 (Traditional / Lyrics by トシバウロン)

7. Dance to Your Shadow

8. Little Fishes

9. Táimse Im' Chodladh(タイムシェムハゥラ)

10. Leave Her Johnny

M1,3,5,7,10 赤澤淳 Atsushi Akazawa(Bouzouki)

Recording, Mixing, Mastering by Idehof

Designed by Yoshio Hasegawa

<推薦コメント> 順不同

目を閉じると、 僕は1人広い大地の真ん中に立っていて、 そこで風の唄を聴いている。 3 人の奏でる音楽からはそんな情景が浮かんできます。

谷口智則  絵本作家


アイルランドやスコットランドで育まれてきた 「暮らしの音」 が、 とてもナチュラルに奏で られている。 肩肘張らず、 日々の営みの延長線上で歌と音が紡がれている。 それでいてユ ーモラスな口上が最高な 「オランモアの雄鹿」 みたいに、 遊び心溢れるチャレンジもあちこ ちに。 音の達人3人による、 楽しくも刺激的な音遊び。 いいアルバムです!

大石始  文筆家


見事に化けましたね。 人の声の快感、 女と男の声の重なる快感。 遙かな始源から果てなき 未来までつらぬき響く声の快感。 声と楽器の理想の結合。 そしてたっぷりの遊び心。 ユー モアの無い音楽なんて、 泡のたたないギネス。 ラストの憂愁は悩みも哀しみも洗いなが す。 聴いているとお願いしたくなる、 うたを、 もっと歌を。

おおしまゆたか  文筆家


みわさんの凛と深い歌声、 トシさんのバウロンの大きなリズムのうねり、 鉄心さんの泣き たくなるようなパイプの音色 􏰀歌声も可愛かった♡􏰁。 三竦みの奏でる曲達は、 音符と音符 の間の空気を旅の香りに誘い出してくれます。 懐かしくて知らなくて近くて遠い 「祈り」 の 音に酔いしれる作品集。

こじまいづみ 花*花、 音楽家


アイルランド&スコットランドの田舎......。 かの地からそよぐ 〈ケルト〉 の涼風がスーッと 体を通り過ぎていきました。 ゲール語、 英語、 日本語の言霊が多彩な楽器の躍動感によっ て見事に調和しており、 何ともええ塩梅。 どこか幼き頃を思い出させる郷愁に包まれ、 い ろんな色の風音が時には刺激的に聴こえてくる、 そんなアルバムです。

武部好伸  作家・エッセイスト


初めて訪れた場所なのになんだか随分と前から知っているような感覚にとらわれる事があ る。 彼らの暖かい手作りの音楽はそんな既視感と共に僕たちの遠い過去と現在をそっと優 しく繋げてくれる。

葉加瀬太郎  音楽家


うちのベランダに、 青や赤の羽が素敵なイソヒヨドリちゃん達がよく来てる。 とにかくペ チャらクチャらとずっと喋りまくっていて可笑しい。 何気ない事やウワサ話なんかを大袈 裟に話して止まらなくなっているんだろう。 言うてる意味は分からんでも、 気づいたらず っと聴いてる。 みわトシ鉄心聴いてたらそんな気持ちになった。 ピロピイピロロリロ。 

サキタハヂメ  音楽家


どうしてこんなにもなつかしくて新鮮なの? むせかえるような自然が自分を包むかのよ うな音たちに五感が震え、 いのちが喜ぶ。 あるがままを肯定するメロディーに魂が躍動す る。 3人の想いとケルトの全妖精たちのこころを、 全身で受け止めました。 かならず、 願 い、 叶いますね。 演奏はいわずもがな、 歌も最高でした。

服部みれい  文筆家、 編集者


ルーツミュージックを演奏する時、 人はどうしてもその真似から入り、 上っ面だけを追い がちである。 しかしながらこの御三方は違う。 そもそも人間としての根っこが深いから だ。 3人の生み出す音楽はネイティブを超えたネイティブサウンドであり、 日本人が持つ 武器をハッキリと認識させてくれる。

神永大輔  和楽器バンド、 音楽家


ケルトミュージックを愛してやまない”みわトシ鉄心”が贈る、 楽しい気持ちがギュッと詰 まった心踊るアルバムが届いた。 金子鉄心のイリアンパイプスとティンホイッスル、 ほり おみわの凜と澄みきったエンジェルヴォイス、 トシバウロンの繊細でダイナミックなバウ ロン。 曲ごとにメンバー全員が演奏し、 歌い、 物語る。 それぞれの音色と感性が気持ちよ く混ざり合い紡ぎ出されたオリジナルアレンジのケルトミュージック。 新しいジャンルと 出会える素敵なアルバムです。

押尾コータロー  音楽家 

楽曲紹介

1:Jimmy Wards Jig

アイルランドのダンス曲Jigの中でも定番曲Jimmy Wards Jigをリルティングで歌唱し、

イリアンパイプとユニゾンで歌うアレンジを施した。

バンドのコンセプトである「声も楽器」としてダンス曲を盛り上げる1曲目に相応しい楽曲。


2:朝のつぐみ

Schottishe(シュティッシュ)からReelへと繋がる二種類のダンス曲のセット。

Schottisheは通常より速度を落としair(エア)のように演奏している。

Billy Malley’s Schottishe / The Morning Thrush Reel(朝のつぐみ)/ The Crooked Road to Dublin Reel(ダブリンへの曲がった道)


3:祈り願い叶う

原曲はCyril Tawney作詞作曲”Grey Funnel Line"1989年発表された。

英国海 軍を去る前に書いた曲で、英国海軍をあらわすあだ名。

One more dayのシャン ティーから着想を得て書かれた

船乗りが家を出て愛する人と別れるというス トレートなノスタルジックな内容。

本歌はその歌を下敷きに、トシバウロ ンが新たに日本語で書き下ろした。

船乗りの視点とともに、陸で待つ家族の視 点も交わる内容となっている。


4:Hop Jig Set

ホップジグは、シンプルなメロディーの繰り返しがクセになる軽快な三拍子の ダンスチューン。

特にイーリアンパイプス奏者が好んで演奏する。

メロがシン プルな分、レギュレーター(イーリアンパイプスに付属する伴奏機能)の操作 が

容易になるからだ。


5:Eadaraibh a Huinn O

Eadaraibh A Huinn O

Domhnall Dubh An Domhnallaich

Nighean Rudh' Bhan

Meal Do Bhrogan

Fear An Duin Mhòr、

以上5曲のスコットランドのマウス ミュージックメドレー。

Mac-Tallaの1994年に発売された “...Mairidh Gaol Is Ceol”というアルバムに収録されているものを

アレンジして演奏している。

歌い手であるほりおが吉田文夫氏から教わった。


6:オランモアの雄鹿

アイルランドのダンス曲Reel の人気曲”The Bucks of Oranmore”。

「オランモ ア(という場所)の雄鹿」という意味だが、

この場合の”雄鹿”は若い男を意味 する可能性もある。

だがもし鹿だった場合、アイルランドにはあまり鹿がいな いという事情から、

想像を膨らませて作詞した。Mouth Musicの日本語版として試作した初めての作品。


7:Dance to Your Shadow

アイルランドのシンガーDolores Kaneのアルバムに収録されていた歌をカヴァ ーした。

カヴァーされていた曲のクレジットはMouth Musicとなっていたが、

曲中の歌詞より表題のタイトルに変更した。3声とブズーキとの絡みが聴きどころ。


8:Little Fishes

甲板で独りボーっと釣り糸を垂れる船員。

過酷な労働の日々に、一瞬できた空 白。疲れ切った心身。

船員は釣り上げられた小魚に次第に感情移入してゆ く。

海の男の労働歌「Sea Shanty」の中では珍しい、作業以外の時間に歌われ た余暇、

fo'c's'le (フォウクスル/船室)の歌。

バラッド蒐集家、竹内篤氏か ら教わった。


9:Táimse Im' Chodladh

美しいメロディにはAisling(幻視詩)が付けられている。

妖精の砦のそばで眠 っている吟遊詩人にアイルランドを象徴する美しい女性(女神)が、

今こそ目 覚め我が国を抑圧している敵国に対し武器を取って戦うべきであると詩人に告 げる。

アイルランドの古き歌唱形式“シャン・ノース(Old style)”で

スローエア (自由な拍子で奏る)曲のなかでもとても有名な曲。


10:Leave Her Johnny

Sea shanty(シーシャンティ)は19世紀商業帆船時代に多く歌われた水夫たち の仕事歌。

歌のリーダー(シャンティーマン)が雇われ仕事の効率化と共に

労働の単調さや過酷さも緩和された。

この曲に出てくる“her”とは船のこと。

船の仕事ももうすぐ終わる、やっと給料をもらって家族の待つ家に帰れるという

ウ キウキした気持ちと、苦楽を共にした仲間と別れる寂しさを歌っている。

Little Fishes同様に竹内篤氏から教わった曲。

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